レジリエンス―折れない心の作り方
- 2015/03/01
- 06:19
レジリエンス―折れない心の作り方
今回は、アメーバブログの再編集になります。
2014年4月17日のクローズアップ現代では「レジリエンス」が取り上げられていました。
レジリエンスとは、「心理的な抵抗力」の事です。
番組では、逆境から立ち上がる力「折れない心の作り方」としての紹介でした。
レジリエンスを鍛える事で、失敗や挫折など、過去の逆境から立ち直った経験を活かしたり、食事などのとり方から逆境力を高める事ができるとされています。
教育や企業でも、メンタルヘルスや生産性の向上の観点からレジリエンスが注目されているとの事でした。
たとえば、ある高校では、ストレスを訴える生徒が増えていることに対し、レジリエンスの授業を取り入れ、逆境力を高める取り組みをしている事例が紹介されていました。
また、番組で紹介されたレジリエンスの研究者は、レジリエンスの調査には、剣玉を使っていました。
剣玉を使った実験で明らかになった心が折れ易い方の特徴としては、感情の起伏が激しく、課題に対し向いていないと初めから諦めてしまう方でした。
そのため、実験を開始しても、20分ほどで止めてしまう方もいらっしゃいました。
これは、自己肯定感の低い傾向にある方でもあり、ご自分の力を過小評価している事によります。
反対に、「やっていれば、いつかはできるようになるだろう」と前向きに考えている方は、1時間でも練習を続けていました。
この様に、レジリエンスには、楽観性、自己効力感、自尊感情、感情コントロール力が関係しています。
とはいえ、これだけでは、ただの「前向き信仰」になるリスクもあります。
前向き信仰には、安易に人を励ます方にも多く見られますが、他者の苦しみを受け止められない事により、相手の苦しみさえも否定しようとするリスクがあります。
他人の苦しみを否定しても、救われるのは言ってスッキリした方だけです。
言われた方には、自分の苦しみを否定されただけで、返って孤独になってしまう事があります。
番組でも、専門家は、「諦める力も大事」「人は他の人と生きているのだから、人間関係も大事」という言葉で、この点に触れていました。
レジリエンスにおいて重要なのは、ただ楽観的にあることではなく、感情や思考のバランス力の総体という事です。
ある海外の企業では、食事のとり方から逆境力を高める取り組み。脳のエネルギーとなるブドウ糖の摂り方を変えたり、ランニングを取り入れることで自己効力感を高め、生産性の向上を目指していました。
日本にも、技術者から営業に転向した社員など、自分は向いていないと感じている社員がいるため、外部の協力で逆境力を高めて成績を上げようと取り組んでいる企業もあると紹介されていました。
そのレジリエンスの研修では、逆境グラフを作り自己把握をしていました。
その研修では、逆境グラフから、技術者から営業に転向した社員には、同時期に父親を失っていた事が明らかになり、この研修を経て自分に自信を取り戻し、意欲的に取り組めるようになったという事でした。
教育や企業でも、レジリエンスが注目されているが、レジリエンスには向いていない方、向かないほどの辛い経験もあります。
この点に対しても、専門家は辛い事を忘れることも心の大切な力と仰っていました。
人は一人では生きていけないので、他人の力を借りたり、愚痴を言ったりできることも大切な事です。
プラスの方向で、そういう関係を活かせるようにして欲しいという事でした。
この様に、単なる前向き信仰とレジリエンスはまったくの別物になります。
この点の誤解には注意していただきたいのですが、私のような人間には、ストレス社会の正当化運動に使わるだけのようにも思えました。
実際、ブラック企業やパワハラ人間なら、自分たちが、どれだけ他人に苦痛を与えても、それは、「レジリエンスで乗り切るべきもの」であり、「レジリエンスが足りないから悪い」とでも言い出しかねない事でしょう。
改めて、レジリエンスとは、逆境を一人で乗り切る力ではなく、他人と乗り切る力です。
レジリエンスの前提は、「人に相談できること」「人と協力できること」です。
本当に人が信じられなくなってしまうと、相談相手を探すだけでも大変なことです。
そのため、私のメール相談やスカイプ相談も、カウンセリングよりもコンサルティングという側面が強かったりします。
そもそも、このレジリエンスが注目されたのは1970年代。ホロコーストを生き延びた方の追跡調査から導き出されたものです。
そういう意味では、ホロコーストの精神的な乗り越え方よりは、ホロコーストのような悲劇を繰り返さないよう考えて行動することの方が大切だと思います。
今回は、アメーバブログの再編集になります。
2014年4月17日のクローズアップ現代では「レジリエンス」が取り上げられていました。
レジリエンスとは、「心理的な抵抗力」の事です。
番組では、逆境から立ち上がる力「折れない心の作り方」としての紹介でした。
レジリエンスを鍛える事で、失敗や挫折など、過去の逆境から立ち直った経験を活かしたり、食事などのとり方から逆境力を高める事ができるとされています。
教育や企業でも、メンタルヘルスや生産性の向上の観点からレジリエンスが注目されているとの事でした。
たとえば、ある高校では、ストレスを訴える生徒が増えていることに対し、レジリエンスの授業を取り入れ、逆境力を高める取り組みをしている事例が紹介されていました。
また、番組で紹介されたレジリエンスの研究者は、レジリエンスの調査には、剣玉を使っていました。
剣玉を使った実験で明らかになった心が折れ易い方の特徴としては、感情の起伏が激しく、課題に対し向いていないと初めから諦めてしまう方でした。
そのため、実験を開始しても、20分ほどで止めてしまう方もいらっしゃいました。
これは、自己肯定感の低い傾向にある方でもあり、ご自分の力を過小評価している事によります。
反対に、「やっていれば、いつかはできるようになるだろう」と前向きに考えている方は、1時間でも練習を続けていました。
この様に、レジリエンスには、楽観性、自己効力感、自尊感情、感情コントロール力が関係しています。
とはいえ、これだけでは、ただの「前向き信仰」になるリスクもあります。
前向き信仰には、安易に人を励ます方にも多く見られますが、他者の苦しみを受け止められない事により、相手の苦しみさえも否定しようとするリスクがあります。
他人の苦しみを否定しても、救われるのは言ってスッキリした方だけです。
言われた方には、自分の苦しみを否定されただけで、返って孤独になってしまう事があります。
番組でも、専門家は、「諦める力も大事」「人は他の人と生きているのだから、人間関係も大事」という言葉で、この点に触れていました。
レジリエンスにおいて重要なのは、ただ楽観的にあることではなく、感情や思考のバランス力の総体という事です。
ある海外の企業では、食事のとり方から逆境力を高める取り組み。脳のエネルギーとなるブドウ糖の摂り方を変えたり、ランニングを取り入れることで自己効力感を高め、生産性の向上を目指していました。
日本にも、技術者から営業に転向した社員など、自分は向いていないと感じている社員がいるため、外部の協力で逆境力を高めて成績を上げようと取り組んでいる企業もあると紹介されていました。
そのレジリエンスの研修では、逆境グラフを作り自己把握をしていました。
その研修では、逆境グラフから、技術者から営業に転向した社員には、同時期に父親を失っていた事が明らかになり、この研修を経て自分に自信を取り戻し、意欲的に取り組めるようになったという事でした。
教育や企業でも、レジリエンスが注目されているが、レジリエンスには向いていない方、向かないほどの辛い経験もあります。
この点に対しても、専門家は辛い事を忘れることも心の大切な力と仰っていました。
人は一人では生きていけないので、他人の力を借りたり、愚痴を言ったりできることも大切な事です。
プラスの方向で、そういう関係を活かせるようにして欲しいという事でした。
この様に、単なる前向き信仰とレジリエンスはまったくの別物になります。
この点の誤解には注意していただきたいのですが、私のような人間には、ストレス社会の正当化運動に使わるだけのようにも思えました。
実際、ブラック企業やパワハラ人間なら、自分たちが、どれだけ他人に苦痛を与えても、それは、「レジリエンスで乗り切るべきもの」であり、「レジリエンスが足りないから悪い」とでも言い出しかねない事でしょう。
改めて、レジリエンスとは、逆境を一人で乗り切る力ではなく、他人と乗り切る力です。
レジリエンスの前提は、「人に相談できること」「人と協力できること」です。
本当に人が信じられなくなってしまうと、相談相手を探すだけでも大変なことです。
そのため、私のメール相談やスカイプ相談も、カウンセリングよりもコンサルティングという側面が強かったりします。
そもそも、このレジリエンスが注目されたのは1970年代。ホロコーストを生き延びた方の追跡調査から導き出されたものです。
そういう意味では、ホロコーストの精神的な乗り越え方よりは、ホロコーストのような悲劇を繰り返さないよう考えて行動することの方が大切だと思います。
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